• 平田氏
     どうもありがとうございました。先ほども御説明しましたけれども、私たちが仕切るわけではないので、まず、改めてですけれども自己紹介をしていただいて、それから、どなたからでも御発言いただければと思います。では、鶴賀さんからお願いします。
  • 鶴賀氏
     鶴賀太郎と申します。グアムから来ました。
     グアムでは、味一という日本食レストランをやっています。グアムから来たので、今日はとても寒いですけれども、ようやく温まってきたのでよろしくお願いします。
  • 海豪氏
     海豪うるると申します。料理研究家をしております。
     お料理は、おいしいと食べたときに味だけではなくて、いろいろなものが味わえます。お料理と自分の間に、記憶とか、時間の感覚とか、人の顔だとか、そういったものがおいしいをつくるのではないかなということで、脳科学者の茂木先生と一緒に食と脳に関する著書を出しています。どうぞよろしくお願いします。
     お荷物ですけれども、後で皆さんにも本をお持ち帰りいただきたいと思います。
  • 中原氏
     中原誠です。
     今、喜多方ラーメンのラーメン店を坂内という屋号で全国56店舗の経営をしておりまして、その他では、日本そば、うどん、スペイン料理のお店なんかもやっていまして、全部で61店舗の経営をしております。
     喜多方の麺を直接、なるべくできたて、チェーンで60店舗をやっているんですが、各店舗全部手で仕込んで、お届けするということでやっております。
    今日はよろしくお願いいたします。
  • 辺銀氏
     沖縄の石垣島からやってまいりました辺銀愛理と申します。
     ちょっとふざけた名前なんですけれども本名で、主人が中国人だったもので、日本に帰化したときにちゃんと戸籍も取りました。日本で、たった3人だけです。
  • 宮治氏
     辺銀さんはほかにもいらっしゃるんですか。
  • 鳩山総理
     家族でしょう。
  • 辺銀氏
     家族です。
  • 宮治氏
     失礼しました。
  • 辺銀氏
     でも、警察とかに捕まると、名前はと言われて辺銀と言うと、ふざけるなと怒られたりするので、これで警察にも怒られないで済むように少し名前が広まればいいなと思っています。 石垣島ラー油というラー油を10年前につくりまして、手売りで少しずつ売って、生産量はもう5~6年変わらないんですけれども、今は8か月待ちとかで人気をいただいてうれしい悲鳴を上げております。
     石垣島で12席の小さな食堂もしておりますので、是非、お越しの際はお立ち寄りください。
     今日はよろしくお願いいたします。
  • 谷角氏
     よろしくお願いします。谷角峻と申します。
     生まれは京都でして、松井孝治先生が通われた高校に通って、東京には大学時代から来ました。
     大学時代に農泊せんせいという活動をしていました。農村に泊まって先生をやるというものなんですけれども、農業体験というのがよくあるではないですか、それだけだと普通だなということで、農業体験に勉強を教えるという要素を加えた農泊せんせいというプロジェクトを立ち上げていました。4月からは、農業機械のメーカーに就職しています。
     あと、耕作放棄地を自分たちの手で畑に戻そうという活動も参加していて、まだこれはできてないんですけれども、今、開墾マニュアルブックというのを編集中で、私も手伝わせていただいているんですけれども、開墾というのを新しい都会人のレジャーの1つにしようということで、今、動いています。よろしくお願いします。
  • 宮原氏
     北海道幌加内町朱鞠内から来ました宮原光恵です。
     14年前に新規就農で、わざわざ日本で一番寒い、雪の多いところに就農しまして、現在、メールでお知らせしたときに45ヘクタールと書いたんですが、夫から、50ヘクタールだと言われてしまいました。50ヘクタールで、主にそば、バレイショ、カボチャ、それに認証は取っておりませんが、有機栽培で30種類程度の野菜をつくっております。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 鳩山総理
     幌加内のそばは日本一うまいんだよな。
  • 宮原氏
     まず、栽培面積が日本一です。実は、そばは日本中どこでもつくられておりまして、面積は北海道が一番多いんですけれども、それぞれの産地でそれぞれに味のあるそばがありますので、味が日本一かと言われますと私はわかりません。
  • 中原氏
     うちは幌加内のそばを入れていますよ。あの粉を使っています。
  • 宮原氏
     ありがとうございます。
  • 生田氏
     今日、お昼におそばを食べました。
  • 宮原氏
     ありがとうございます。幌加内もやっと知名度が上がってきましたね。
  • 臼井氏
     同じく北海道は道東にあります別海町というところから来ました。ちょっとわかりづらいかなと思って、うちの町のご当地グルメのパンフレットを皆さんの数の分を用意させてもらったので、後で見ていただければなと思うんですけれども、生乳生産日本一の町ということで私も酪農家をしておりまして、乳牛120頭で、今、生産量が年間で450トンの生乳を生産しておりまして、うちは大手メーカーに出荷しているんで、自分のところではチーズをつくったりはしていないんですけれども、昭和7年に入植しまして、私で4代目です。かなり冷涼な地帯でして、農家の99%は酪農家という地帯です。
     今日はよろしくお願いします。
  • 宮地氏
     こちらのケーキは。
  • 平田氏
     これは一応、差し入れです。
  • 松井副長官
     私が買ってきました。
  • 臼井氏
     うちのクリームを送ればよかったですね。
  • 平田氏
     広報の方には、農業の方がいらっしゃるので、できるだけいろいろな差し入れをいただくようにお願いしてくださいと前もって言っていたんですけれども、官邸の広報は非常に奥ゆかしくてちゃんと真意が伝わってなかったみたいで、持ってきてくださった方とそうではない方が出てしまってすみませんでした。臼井さんのクリームは、次の機会に。
  • 臼井氏
     あれば。
  • 宮治氏
     株式会社みやじ豚、NPO法人農家のこせがれネットワークの宮治勇輔と申します。神奈川県藤沢で養豚業を営んでおります。
     ステータスが低い日本農業は3K産業などと言いますけれども、私から言わせれば6K産業で、きつい・汚い・格好悪い・臭い・稼げない・結婚できない6K産業を、生産からお客さんの口に届けるところまでを一貫してプロデュースすることで、格好よくて・感動があって・稼げる3K産業にしたいという思いで、勤めていた会社を辞めて実家に戻りました。
     実家の豚をみやじ豚という形でブランド化して直販をして、口コミでお客さんに広めていくという形をとりまして、お蔭様で家族が食べていく分には何とかやっていけます。
     規模の拡大はしないで、今はNPO法人農家のこせがれネットワークを立ち上げて、都心で働く悩めるこせがれたちをそそのかして、会社を辞めさせて、実家に帰って農業を始めてもらおうという活動を現在しております。
     よろしくお願いいたします。
  • 生田氏
     徳島県から来ました生田美和と申します。
     農業に関しては、まだ手伝いとかでこれからという感じなんですけれども、もともとやっていた建設業とかの仕事が少なくなってきたので、合間に農業をしようかといって始めたのが2年前、今年で3年目なんですね。
     まだこれからという感じなんですけれども、主に田んぼがあるので米が主で、スダチの木はまだ1本しかないのでこれからです。あとはユズとか、タケノコもあるんですけれどもちょっと山掃除ができていなくて、今はあまり生えてないという感じです。
     今回もお米だけではなくて、本当はスダチとかも持ってきたかったんですけれども、もともとあったスダチの木が大きくなり過ぎて、枝をカットし過ぎて、実がならないんです。またこれからいろいろ増やして農業と建設と両立させてやっていきたいと思っています。
     よろしくお願いします。
  • 平田氏
     総理からも何か。
  • 鳩山総理
     鳩山と言います。今日は辺銀さんの、3人しかない辺銀という名前の一番若い方から、大きくなったら何をやるのか、と。もう大きいつもりなのだけれども。
     政治家を辞めたら農家やりたいと。何をやりたいかと言われたら、本当はまだスタートもしていない話なんですけれども、北海道には割とおいしい牛肉があるものですから、肉とワインで乾杯とかやれたらいいなと、そういうレストランをやりたいねとか思っていて、だから、ワイナリーをやりたいんだ。それは多分20年ぐらいかかると思っていて、生きている間はできないかもしれませんけれども、何かそういうものをかなりまじめにやりたいなと思っていて、協力してくれる人もようやく見つかったものですから少しずつ、こういう仕事をやっている間はあまりできないんですけれども、ひそかにそう考えているんです。
     先ほど6Kとかいろんな話がありましたけれども、まさに魅力のある土を触ることができる産業というのが非常に減ってしまっている中で、一番土に触れるのは人間というか動物というか、生きとし生けるものにとって一番根源的に大事な仕事だと思っておりまして、ただ、それが政治的な中でいろいろと厳しいことを言われたり、あるいは日本の特色の中で簡単に地価が高いとかということもあって、うまく農家が育っていかないという、日本の未来にとって非常に厳しい状況があると思っています。
     それを何とか皆さんの新しい知恵で乗り越えられたらいいなと思って、今日は第2回の「リアル鳩カフェ」をこういう企画にしたと感じています。皆さん方が、それこそ若い皆さん方もどんどんと新しいチャレンジをされているなと思っていて、非常に勇気づけられるところですけれども、まず宮治さんにそれこそ農家のこせがれをだいぶ農家に戻していくことに成功しているのか。これからですか。
  • 宮治氏
     NPOが立って1年なんですけれども、やっと2人実績が出ました。
  • 鳩山総理
     では、2人出たのはたいしたものだね。
  • 宮治氏
     そうですね。みんなこせがれは、農家に生まれたことを恥ずかしいと思っている人が多いんです。子どものころは、手伝いするのが恥ずかしいから帽子を目深にかぶって手伝っていたとかそういう話を聞くんですけれども、いやそうではないんだよと、農家のこせがれは選ばれた人間なんだよと。今、東京の人で農業をやりたい人は、総理も含めて多いではないですか。そんな中で農家のこせがれは実家に帰ればすぐに農業ができるということで、なぜこの魅力にみんな気付いてくれないんだというのを一生懸命啓蒙活動を東京でやっているんです。
  • 鳩山総理
     いいね。
  • 平田氏
     その人はどうやって見つけるんですか?
  • 宮治氏
     実は、農家のこせがれとカミングアウトしてくれないので、すごい大変なんです。農家のこせがれネットワークをやるよと立ち上げて真っ先に集まってきたのは、全国各地の若手の元気な農業者だったんです。ちょっと待て宮治と、これは私たちのためのネットワークだろうと集まってきたんです。でも、やはりこせがれは集まってこなかったんですけれども、おかげさまでメディアがたくさん取り上げてくれて、少しずつこせがれが集まるようになってきました。
  • 鳩山総理
     これは農家の平均年齢が大体1年で1歳、そちらが多くなっていったでしょう。
  • 宮治氏
     はい。2005年の段階で64.2歳です。
  • 鳩山総理
     ほとんど新規に入ってこないという状況が続いている。でも、それが少しずつ変化はあるのではないかなと期待しているんですか。
  • 宮治氏
     そうですね。でも、今メディアで農業生産法人が盛んに取り上げられているからかもしれないですけれども、基本的にはまだまだ少ないかなと。一部の目立っている農業生産法人が取り上げられて、そこには当然雇用が発生しているので増えていますけれども、日本の大半は家族経営の農業なので、ちゃんと早く親父からバトンタッチをしないといけないなと思っています。
  • 宮原氏
     私などは新規就農者で農業を立ち上げたんですけれども、全く経験のない者が農業を始めようと思うと、まず技術がない、お金がない、どこに住んでいいかもわからない。そこから軌道に乗せる農業にするには、ものすごくたくさんのハードルがあるんです。
     特に私たちは畑作なので、畑作は作物ごとにそれぞれの機械を用意しなければいけないのです。お米ならばお米だけで始めれば機械は決まっていて、それで食べていく形をつくれるんですけれども、畑作の場合は、それぞれの作物の機械を用意して、技術も習得して、それを上手に回せて初めて生活ができるようになるので、3年、5年ではなかなか形にできないんです。そこをえいっ、やーっと踏み越えていくというのは、ものすごく覚悟がいるし、ものすごくリスクが要るし、膨大な借金を抱えないと不可能な状態です。
  • 鳩山総理
     でも、やってよかったんでしょう。
  • 宮原氏
     私たちは納得していますので幸せだとは思っていますが、借金は膨大です。
  • 鳩山総理
     今でも借金は増えているんですか。50ヘクタールでしょう。
  • 宮原氏
     50ヘクタールです。そばが3年続けて私ども不作で、2年間続けて毎年、こんなことは言っていいかしら、300万、400万。単年度。
  • 宮治氏
     これはツイッターに載せてもらっても?
  • 宮原氏
     いいです。載せてください。正確に言うと、最初の年は700万赤字でした。共済金で300万入れていただいたので、それが8割補償の中で共済金が出る範囲だったんですが、それでも400万単年度赤字です。次の年も不作で300万赤字でした。これでは私たちはもたないということで、東京に営業に行きました。それで私どもの作物を買ってくださる高級食材店さんとの取引が始まって、昨年度は何とかトントンまで持っていきましたが、そばは赤字でした。
  • 鶴賀氏
     例えば、もし私みたいに全く農業の経験がない者が就農しようと思って、お金の工面はついたといったら、これはもうできるものなんですか。いろいろ例えば農地の問題とか、聞きかじった問題ではなかなか新規で入るのは難しいと聞くんです。
  • 宮原氏
     農地は農業者になったら買えます。ただ、技術はないですね。その土地でそこでちゃんと作物がとれるようになるまでには、まず土を知らなければいけないんです。何もわからないところでただ植えてもまともなものはとれません。
  • 鶴賀氏
     今、農業者になったらというのは、どうするんですか。JAか何かにノックしてやるんですか。
  • 宮原氏
     私たちの場合は、この町で農業をやりたいと言って入ったんです。いきなりはできないので、2年間研修を受けてくださいと言われて、地元の生産者のところに研修に入りました。2年間の研修を受けて、その後、農地取得をしました。
  • 鶴賀氏
     どこか公的機関とか農協から、農業者として認定しますよと言われるんですか。
  • 宮原氏
     最初に町に相談をして、その時点で町からいろいろ紹介をしていただいて、農地売買は農業委員会ですから町がバックアップしてくださいます。ですから、本気でその町で私は農業がしたいと言って研修をきちんと受けて、そういった手続を踏んでいけば、勿論、農地を買うためにはお金が必要ですから、そういった準備も自分たちで何とか工面をして始めないといけませんけれども、その気になれば始められることは始められると思います。
     ただ、1年、2年の運転資金があっても、食べてはいけません。私たちは軌道に乗せるのにまず5年かかりました。5年赤字だったということです。
  • 鳩山総理
     皆さんも御存じだと思うけれども、日本で一番、最低気温を記録しているのが幌加内町ですから、マイナス41度も、もう入られて14年の間に、本当は寒暖計が壊れてしまったから、ないらしいですけれども、それよりも40度以下の年が何日かあったというぐらい寒い所にあえて行かれたわけですね。本来だったらそういうところで畑作をやりたいというのはなかなか思えない方の方が多いと思うんだけれども、あえて挑戦されたというのはすごいと思うんです。
     そこでそばをなさるのも難しいと思うんですけれども、なぜ幌加内なのかという部分がありますね。例えば有機農業とかそういうことをされたいとした場合に、そばでも付加価値が更にほかの方よりも私たちの方が高いのよ、これは付加価値が高いから高く売って、よりおいしくて健康にいいのよというような感じでは売り込めないんですか。
  • 宮原氏
     それができなければ、むしろ幌加内での農業は無理だと思いました。なぜならば雪が積もっている時間、期間が長いので、農業をできる時間がほかの町より短いんです。隣の町からも1か月短いんです。その中で、しかも大産地の十勝と比べると収穫量は半分なんです。でも、値段はほとんど変わらないんです。それだとまずやってはいけません。付加価値を付けるために何ができるか私たちも考えましたし、本当にここでやっていけるのかということも、覚悟するまでは随分悩みました。
     一番の決め手は朱鞠内という土地なんですけれども、蕎麦だけでなくトマトやじゃがいも、かぼちゃなど作物がおいしいんです。なぜおいしいか自問自答したときに、寒くて厳しいから、短い夏の間に作物は必死で頑張るんです。これはほかの所と違うんです。本当に必死になるんです。夏の8月、暑いときに30度以上の気温になりますが、同じ日で、夜、明け方に1桁の気温になるんです。この寒暖差は他の地域ではあり得ないんです。ものすごく激しい寒暖差で、作物が寒い思いをするので糖をたくさんつくって、ですから甘みの増したよりおいしいものができるんです。収穫量は少ない、やれる農産物の種類も少ない。本当にリスクばかりなんですが、でも、できるものは絶対にここのものはおいしいと確信が持てたからこの地への就農を決めました。
  • 鳩山総理
     すごいね。だとすれば、本当はその付加価値があるわけですね。
  • 宮原氏
     だと思います。
  • 鳩山総理
     幌加内のそばが一番と言うと、ほかの信州とかいろんなところにツイッターで怒られそうだけれども、青田買いではないんですけれども、この収穫の前に相当買われるみたいなことを聞いたことが昔あったんです。この幌加内のおそばをできる前に買いに来る。そういう状況なんでしょう。そうでもないんですか。
  • 宮原氏
     農協さんが大手の商社さんと事前に取引を決めて、収穫前にある程度の量は確保されている。
  • 鳩山総理
     その結果安くなってしまうとも聞いているんです。
  • 宮原氏
     はい。それは本当に深刻です。特に昨年は全国的にそばの収量が極端に少なかったんです。特に幌加内町の平均単収は0.9俵と聞いています。普通、2俵以上ないと収支は合わないんです。それが0.9俵です。でも、もう町の契約の収量は0.9俵なんです。町の平均単収が0.9俵だったら、契約で全部持っていかれて、それ以外に売るものはないことになってしまうんです。
     今、そばの値段というのは、物がないので2万円ぐらいの値段が付いていて、でも私たち生産者は1万3,000円ぐらいで売らざるを得ないという状態で、これまでも不作で価格も低くてやっていけないという、本当にみんなたくさん借金をして何とか食いつないでいるところに、せっかく値段が高くても事前に契約をしてあったので高く売れないという、本当に切ないです。
  • 臼井氏
     これは国産の農産物全般的に言えることなんですけれども、私たちの生産者のストーリーというものが値段に反映されないんです。結局、海外の農産物に引っ張られる形で国内の農産物の価格が上下変動するんですけれども、私たちがいくらここにこだわってそれをインフォメーションしたとしてもそれが価格に反映されないというのが、よほどのプレミアなことでもない限り難しいんです。
  • 鶴賀氏
     それは差しさわりがあるかもしれないんですけれども、例えば農協とかがあるからということになるんですか。
  • 臼井氏
     それは関係ないです。
  • 鶴賀氏
     関係ないですか。
  • 臼井氏
     はい。結局、消費者の方に買ってもらえないと、消費がないと生産につながっていかないんです。だから、買ってもらえる土壌があれば、生産というのは拡大していけるんです。
     例えば同じ野菜ならば野菜もそうですけれども、輸入物と国産物は、倍以上本当は値段が違うんです。でも、それがストーリーをわかってもらってどんどん買ってもらえるという状況、スーパーに並んでいるものが売り切れるぐらいの売れ行きになっていれば、きちんとそれに合わせて生産できるんです。だけれども、やはり消費者の方たちが安いものを取るという形になると、もうスーパーなどもこれ以上は要りませんとなったら、私たちはもうそれ以上つくれないんです。
  • 谷角氏
     私がお世話になっている農家さんは、事前に予約を取って、その予約に合わせてつくって売るという形でやっているんですけれども、例えばストーリーという言葉がすごい印象に残って、例えば全く都会で普通に生活している消費者が生産者のところに、収穫とか、草刈りとか、定期的にピンポイントで手伝いに行くことで、農業の生産者の思いですとか、ストーリーがまさにわかるではないですか。
     そうすると、これだけ大変な思いをしてつくっているのだから、それに見合った適正な価格で買ってあげようという気持ちになるのかなと思って、私も実際に、桃を買ったりとかしているんですけれども、そういった意味で直接生産者と消費者がつながって、例えば1つの農家につき100世帯が固定客として付けば、すごく生産者も生活も安定するし、いいのかなと思います。だから、農業は生産者が本当にいなくなってしまえば困るのは消費者だと思うので、消費者が一緒に生産者と農業を守っていくという意識が必要なのかと思っていたり。
  • 宮治氏
     だから、こせがれネットワークでそういうことをやりたいんだ。結局、大体大企業が注目されているけれども、日本のほとんどが家族経営の小規模農家なので、先ほどおっしゃったとおりストーリーが大事になってくるので、ちゃんとストーリーをお客さんに伝えて、適正な価格で買ってもらうようなことができる人材を私は農業プロデューサーと呼んでいるんです。
     私は自称農業プロデューサーで、多分ググっても私しか出てこない。勝手に名乗っているんですが、そういった農業プロデューサーがどんどん各地域にできてくれば、各地域の住んでいる人がその地域のことを一番わかっているので、東京から訳のわからないコンサルタントが行くよりも地域のことをよくわかった地域の農業プロデューサーがその地域の農産物をしっかりストーリーを付けて、またそれなりの値段で販売していくというような仕組みができればいいなと。それをまずはできる農家からやっていきたいなということで、そうすると、その思いに共感して全国の若くて元気な農家が集まってきているのではないかなと思うんです。
     本当にいろいろ農業は、私も養豚なのでここですごいえさ代が上がったり相場が下がったりして、やはり農業はどうにもならない部分も多いけれども、でもしっかり経営次第ではちゃんとやっていくことができる。だから、百姓も一応経営者ですから、ちゃんと自分たちで経営できるような力を身につけていかないといけない。そのためには、実は農協は昔の全量買い取りの仕組みはすばらしかったんですけれども、今はそんな時代ではないので、自分で考えて自分で行動して、時代の流れが速いので、それに合った動きができるような人間になっていかないといけないので、そういった場を用意するのが一番いいのではないかなと思ったんです。
     ですので、いろんな経験をしてもらう、いろんな人脈をつくってもらう、そういう意味で農家のこせがれネットワークを立ち上げたという考えなんです。
  • 臼井氏
     ぼく、さっきストーリーと言ったんですけれども、高ければいいのかという話になるかと思うんですけれども、そうではないんです。私もよく基礎食料と言うんですけれども、北海道などは特に畑作3品だったり、生乳だったり、基本的にお金を持っている人たちが国産の食材を食べられないという世の中ではだめだと思うので、やはり価格もそれなりに海外とも太刀打ちできるようにやっていくには、大規模化、コストを下げて生産するという体制は必要だと思うんです。でないと、どんどん食料自給率も下がっていってしまうので、ただ、ぼくらは企業のように困ったときに人件費を削減するということはできないんですよ。人件費イコールぼくらの生活費なので、どうしても人件費は削れない。あとは生産していく中で機械だったりとか、えさ代だったりとか、そういうところをコスト削減につなげていくか、国に負担してもらったりという流れになってくるんですけれども、コストを優先していくと、さっき言ったストーリーがなくなっていくんですよ。だから、いろんなジレンマを抱えながら毎日仕事をしているというのが現状なんです。
  • 鶴賀氏
     臼井さんが、先ほど海外のものと国産のものは、ものによっては価格差が数倍あるとおっしゃっていたんですけれども、その価格差って何ですか。
     1つには、例えば今おっしゃったように規模の違い、1つは人件費の違いとかがあるかもしれないんですけれども、それはどうやって埋まっていくんですか。
  • 臼井氏
     これはすごく難しくて、例えばぼくの身近なところで言うとチーズなんですけれども、オーストラリアだったり、ニュージーランドだったり、牛乳1kgの生産費というのは、ニュージーランドで大体30円とかの世界なんです。ぼくらの生産費というのは70円ぐらいかかっているんです。これはさっき言った自分たちの生活費とかも含めて、えさ代だったりとか、うちは放牧でやっているものですから、畑をつくるために肥料を使ったりだとか、有機肥料も使っているんですけれども、いろんな形で、いくら頑張っても明らかに物価に違いだったり、面積の違いだったりというのがどうしても詰められない差があって、やはり日本は国土が狭いですから、だから、ある程度のところまでは現時点で来ているのかなと、これ以上削減するとなると、あとは何を削ればいいんだろうというところまで今、来ています。
     技術の進歩というのは、この30年ぐらいで格段に進歩したんです。それで大体いいところまで来たかなという感じですね。農業全般そうなんですけれども、機械化だったりとか、あとはデータ管理だったりとか。
  • 鶴賀氏
     日本人、まじめですものね。
  • 臼井氏
     そうなんですよ。だから、やはり農産物は世界一安全で安心な農産物、食べるものというのは、そこにあると思うんです。
  • 鳩山総理
     チーズとか、まさに生乳だけではなくて、生乳で比較するとどうしても今おっしゃったように差がありますね。いわゆる付加価値を付ける部分、西欧のチーズ文化のようなものに追い付くのはなかなか大変だと思うんだけれども、でもかなり北海道は頑張ってきてるよね。この20年ぐらいの間で。
  • 臼井氏
     はい。そうですね。
  • 鳩山総理
     でもやはりここは抜けないという部分はあるんですか。世界に引けを取らないところまで来たぞという気はするんだけれども。
  • 臼井氏
     チーズに関してですか。
  • 鳩山総理
     いや、いわゆる牛乳の加工製品ですね。
  • 臼井氏
     まず基本的にあるのは、食文化だと思います。まずチーズは手間がかかって、これだけの対価を払わなければならないんだという概念が、まずあまりないということと、先に輸入のものが入ってきてしまったので、なかなか国の中で国産チーズはこういうものだというのが後からついてきた形になっているんですね。
  • 佐々木氏
     輸出はどうなんですか。輸出のチャンス。品質がすごく高かったら、輸出して利益を得るということもできるでしょう。
  • 臼井氏
     やはり歴史が浅いので、ヨーロッパのチーズのように名のあるチーズブランドを考えると、やはり名前が売れてないというところがあるんですね。
  • 鶴賀氏
     クオリティはいかがなんですか。
  • 臼井氏
     クオリティは、自分で実際につくっているわけではないので、なかなかこういうところで言っていいのかわからないですけれども、引けは取らないと思います。
  • 鳩山総理
     どんどん上がってきているはずですね。
  • 臼井氏
     特に今、大手のチーズの技術というのが格段に進歩していて、うちの管内にも、森永乳業、雪印乳業、明治乳業と、それぞれ工場はあるんですけれども、やはりそういった大量生産の技術も相当上がっているので。
  • 鶴賀氏
     例えばワインですと、今ではカリフォルニアがボルドーに比肩したり、値段も違いますけれども、チリとかもどんどん出てきますからね。そういう意味でチャンスはあるんですかね。
  • 臼井氏
     あとは生き物なんですね。チーズ自体も。菌でつくっていますから、だから、その土地に合ったおいしさの菌がどれだけ認められるかというところだと思います。
  • 宮治氏
     輸出は日本全体で弱いんですね。日本は、たしか今、3,000億ぐらいしか輸出がなくて、ほかの先進国は4兆円だ6兆円だと売っていますけれども、総理がいる前で言いにくいんですけれども、世界は農水省がすごい強力に輸出を推進しているんですね。日本は、なかなかその土壌がなくて、外に打って出られないということがあって、やはりどうしても輸出するとなると、個人の農業者だとか、JAでまとまってもなかなか難しいという面があるということが、1つあるんではないかと、輸出額を見ると感じますね。
     うちは小規模なので、日本国内だけで十分勝負するぐらいの規模なので、輸出は全然考えてないんですけれども。
  • 臼井氏
     ただ、食料自給率が100%を超えてない国が輸出を考えるのはどうかと思いますけれどもね。
  • 宮治氏
     いや、でも世界で。
  • 鳩山総理
     ものによっては十分あるんですよ。果物とかね。果物なんか、絶対、日本が世界一おいしいですね。
  • 宮治氏
     だから、ぼくはおいしいものはどんどん輸出していいと思うんです。大体みんな自給率100%じゃなくて、がんがん輸出して、がんがん輸入しているので、日本も、いいものは日本で売れないんだったら海外で売るようにしていかないとだめかなと感じますね。
  • 鶴賀氏
     宮治さんから見て、チャンスのある農作物はありますか。
  • 宮治氏
     逆説的ですけれども、まず米は世界で最も日本がおいしいものをつくれる、世界一だと思うので、米をもっと何かしら付加価値を付ける、ブランド化、いろいろあると思うんですけれども、やることで、世界に誇れる農産品になりますね。何でもそうなんですけれども、でも米を、本当に言いにくいんですけれども、飼料米にするんだったら、ちゃんとうまいものをつくって世界に売る方がよほど生産性があると感じています。
  • 鳩山総理
     米粉。
  • 宮治氏
     米粉もいいですね。
  • 鳩山総理
     小麦粉よりも米粉の方が質もいいし、あれはもっと付加価値が付くはずですから、そこの部分はまだ日本が必ずしもPRできてないと思います。
  • 宮治氏
     そうですね。
  • 谷角氏
     世界では、これからもっともっと食料が不足する時代になってくると思うので、人口が増えていくと思うので、まさに日本が出ていくチャンスはあると思っています。
  • 宮原氏
     でも、残念ながら日本の農業をやる肝心の農家が今どんどん減っていますね。これをまず食い止めないことには、特に宮治さんのような活動はすばらしいと思うんですけれども、でもまだまだ足りないと思うんです。
     では、どうやったら農家が増えるんだろうか。これはもう本当にみんなが真剣に考えなければいけない大きなテーマだと思うんです。
  • 中原氏
     変に守るのはよくないですね。
  • 宮原氏
     そうなんです。
  • 中原氏
     多分売り方が下手なんじゃないですか。結局、売れてもうかればいいんですけれども、もうからないというジレンマがあって、どうやって売るのかということをもっと、それは国内なのか国外なのかわからないですけれども、今のストーリーという話も付加価値じゃないですか。伝わってないから安くしか買ってくれないし、もっと上手に売るということをぼくらがもっと勉強しなければいけないのかなという気もします。
  • 宮原氏
     そうですね。でも、私はすごく土俵が違い過ぎると感じるんです。ヨーロッパやアメリカでは、農家に対して直接所得補償があって、作物が売れなくてもとりあえず農業ができるじゃないですか。でも、売るわけだから、それにプラスαの収入があるから、どんどんみんなやりたい仕事になっている。でも日本は補助金をもらったら、もうラッキーという感じで、農業をやってどんどんいいものをつくっていこうとすればするほど、そういった補助金から遠ざかっていくんですよ。収入からどんどん遠ざかっていってしまう。ハイリスクでストーリー性をつくって、一生懸命働いていいものを提供しようとすると、どんどん政府からの補助とか、いろんなところからの共済金だとか、どんどん遠くなっていって、そういったところでの収入がなくなっていくんです。いいものをつくろうとすればするほど、どんどんやりづらくなっているのが現実なんです。
  • 鳩山総理
     変えていきますから、そこは変えますから、まず最初は米からスタートしなければならなかったんですけれども、やはりそばも含めて地域で頑張っている、まさに畑作で、地域の主要作物に対して、今のような戸別所得補償というのを、私は導入すべきだと思っていますから、それは必ずやります。そこの部分は、まさに保障いたしますが、それだけではないと思うんですね。それは最低限、ですから、これ以上減らさないためにやらなければいけない仕事だとは思っているんだけれども、更に先ほどのような魅力を付ける部分が大事で、皆さん、それこそ喜多方ラーメンにしろ、ラー油にしろ、いいものを出せばどんどん広がって売れていっているわけですね。そういう部分の魅力をいかにして、PRが下手なのかな。
  • 中原氏
     多分その魅力が伝わってはいないと思います。
  • 海豪氏
     お野菜を買う方の立場からすると、今、皆様の話を聞くと、とっても衝撃的で、本当に大変だと思うんですけれども、でも買う方の立場からすると、シイタケが500円とかするんですよ。おいしいんですけれども、でも500円ですよね。臼井さんおっしゃったように、本当に安い100円のお野菜を買わなければいけないような状況もあったりして、皆さんと買う側がうまくつながっていない、食い違っているなという感じがして、これをどういうふうにうまくするかは非常に難しい問題だと思ったんです。
     ただ一方で、すごくいろんな取組みもされていて、この近くだと、そこにアークヒルズという広場があるんですけれども、そこにヒルズマルシェっていって、全国からいろんな農家の方とかが、トラックに荷物に入れて、普通の自家用車なんですけれども、荷物を入れて採ったものをすぐに売りに来るんですよ。
     確かに、ほかのスーパーよりは割高なんです。シイタケも350円とか、若干割高なんですけれども、でも昔、八百屋さんで、このお野菜は何とか、これつくっておいしかったよという会話がそこにはちゃんとあるし、むしろすごく広がっているのは、地元の八百屋さんと違って全国からいらっしゃるので、本当に青森はまだ寒いよというお話から始まって、そういうコミュニケーションがあって野菜を買えるというのは、1つ新しい試みなのかと思っていて、日常食べるお野菜は安全なものを安く、安くだけれども農家の方もちゃんと成り立って買えるベースのところと、でも一方で、もうディズニーランドに行くような感覚で、皆さんリピーターがすごく多くて、本当に先週こうだったよというお友達になれるんですね。
     そういうエンターテイメントっぽいところでストーリーを組み込まれていくものがたくさん出てくると、何か二本柱でいくといいのかなという感じがします。そこに対してもちょっと。
  • 宮治氏
     ぼくらはやっているんですよ。あれは農水省のマルシェ・ジャポン・プロジェクトということでやっていますけれども、本当は農家のためなんですけれども、ほとんど業者に占領されてしまっているので、ぼくらはちゃんと農家に提供しようということで、チャレンジ・ファーマーズ・ブースという形で、農家を呼んできて、農家のこせがれネットワークの仲間を呼んできてやっているんです。
     ただ、正直、マルシェに出ても、せいぜい売れて1日5、6万、イチゴで、いいときで12万とかなんです。1日、交通費をかけて、いろいろかけて、それぐらい売れても、農家からすると正直人件費を入れたらとんとんかぐらいになってしまうんです。なので、それではいけないと思っているので、ぼくらは今、東京にもっといろいろ売れるような、きっかけづくりを用意したいと思っていて、六本木のレストランのネットワークもこれからつくっていきたいと思っていますし、あとは六本木農園というレストランをオープンして、そこは農家のためのライブハウスというコンセプトでやっているんですけれども、これも売上は本当に大したことはないんですけれども、ただそこでテストマーケティングをしてもらおうということなんです。
     さっき言ったように、ぼくは場づくりだと思っているので、おっしゃるとおりマルシェも1日行っても大したことないんですけれども、でもマルシェに参加することでお客さんとの会話が生まれたりだとか、そこで東京ではこういうものがはやっているんだ、売れているんだだとか、そういったことを肌で感じてもらったり、あとは本当はこせがれに場所を用意するというのが本来の目的なんですけれども、そこで売る経験を積んでもらって、何かしら次の展開につなげてもらいたいという思いなんです。
     なかなか1日の売上は大したことないですけれども、それを繰り返していろんな出会いを通して、例えば新たな商品開発だとか、販路の開拓につなげていってほしいという思いです。
  • 佐々木氏
     皆さんから出ていたものをずっと読んでいると、つくる側のコメントも多かったんだけれども、でも消費者がちゃんと品質を理解してくれないとか、消費者の勉強不足と書いてあるコメントも多かったんですけれども、その辺は皆さんはどういうふうに思われますか。もっと買う人がわかってくれればいい。あるいはもう少し買う人に教育、例えばいいもの、安全なものを選ぶと自分の体がどうなるとか、そういうようなことをもう少し、せっかく日本のいい食文化があるのに忘れられてしまって、どうしても安い方に行くと、ここからも変えないと、いくらつくり手が頑張っても難しいというコメントが、今回、応募された方々の多くから寄せられたんですけれども、それはどうですかね。
  • 鳩山総理
     20年以上前に、私は、北海道の農地に似ているというアメリカのマサチューセッツ州、小さいところですから、そこの農家は大体規模が同じくらいだと言われて見に行ったんです。
     そこで、スーパーマーケットに行ったら、トマトが普通のトマトと有機栽培のトマトとわざわざ書いてあって、ジャガイモも同じように2種類あって、これは普通の農薬を使っているジャガイモ、これは農薬を使わないジャガイモと、値段をそれぞれ3倍で売っているわけです。有機農薬のものをです。それで聞いてみたら、大体売れるのが同じくらい売れていますと、当時言っていました。
     私は、今の日本はどうなっていたか、そこまで明確に値段の違いはしていないと思いますけれども、あえてそのくらいの値段の違いを見せつけて売って、それで消費者が選ぶということをやっていましたね。ですから、そのくらいオープンにやって、あなたのところは農薬を使っているから、必ずしも体によくないけれども安いですよと、どっちを選びますかということをスーパーの方で平気でやられているというのは、ある意味での大変なオープン差だなと思って関心したんです。
     そのくらい消費者にとって選べる、選択できるような環境というものを私はもっとつくって、ならば、どちらを農家の方がつくるかと、それも農家の方が選択できるように、しかし、それをはっきりと明示することが私は大事だと思っているんですけれども、そこのところが何となく日本はまだあいまいで、何か有機というと、何か最近は、みんな有機野菜をつくっているように思わせながら、必ずしも現実はそうではないんではないかというところを、消費者も何となく疑いながら買っているというような、そんな気がして、あえてマーケットの部分でもきちんと違いを見せるというところが大事ではないかという意味では、一つひとつの、最近は農家の名前まで付けて売るようになってきているというところを、我々はむしろその辺をもっと明確にしてやるような義務付けをしていくことが大事ではないかと思っているのが1つ。
     もう一つ、我が家は7~8年くらい前から特定の、それこそ有機農業の方と契約して2か月に一遍ほどどんと、何が入っているかわからないんだけれども、ジャガイモとか野菜とかを送ってくるんですけれども、その信頼性みたいなもので、最初は非常に貧相な契約農家の方だったんですけれども、今は大々的に広がって、そこまで大きくなったら、今度は大丈夫なのかと、むしろ心配になるんですけれども、でも、やり方によっては、おそば1つとっても、インターネットの時代ですから、うまくダイレクトに、本当に必要な人のところにターゲットを決めて売るようなことをされれば、もっと高く、あるいは中間搾取もないような形で販売できるんではないか。その辺のシステムの開発というのを、ある意味で消費者と農家とがうまく結び付けられるような、それこそプロデューサーの役割だと思うんですけれども、そのプロデューサーが非常に大事な役割を果たすべきときではないかと思います。
  • 臼井氏
     私もテレビをよく見ていて、不況になったときに特にそういう人が多いんですけれども、街頭インタビューをして、給料が減ったときに何を削りますかというインタビューがあるんです。そうすると、真っ先に食費と出るんです。
  • 鶴賀氏
     もっと先は外食ですよ。
  • 臼井氏
     日本の食文化というものが、これほど自分たちの生活の中で低くなっているんだなという感覚が、非常に最近よく感じていて、やはりヨーロッパなんかは食文化は非常に、例えば食事の時間を1時間とか2時間取って食事を楽しむという習慣がありますけれども、日本はおなかいっぱいになれば、とりあえずはいいというような、だから真っ先に自分の収入が減ったときに切るというか、金額を落とすのが食費と言われると、やはり生産者としては非常につらい。
  • 中原氏
     日本人は味にうるさい。
  • 鶴賀氏
     うるさいです。
  • 中原氏
     とんでもなくうるさいです。ラーメンもそうですけれども、構造的に日本人は味覚が一番優れているというじゃないですか、味蕾の面積が一番大きいと言われるくらいなので、多分感覚的に削るのは、確かに一番初めに削られてしまうんですけれども、多分おいしいものを知っているのは日本人だと思いますよ。
  • 海豪氏
     一方で、ある大手の食品メーカーが1万5,000世帯、すごい数のアンケートを取ると、家での調理時間がすごく減っているんです。大体30分、私も30分でつくれるものをつくってくださいと言われていたものが、今は10分、そして今、3分なんです。あり得ないですね。
     大体平均30分つくるというのが大半で、一方で、2時間、3時間、1日にかけるという方が、二極化してしまっているんです。
     1日平均30分調理時間という方は、週に3回以上丼物を食べるというんです。丼物は1個つくれば、おかずをそんなにつくらなくてもいいですね。
  • 鶴賀氏
     皿洗いも楽だしね。
  • 海豪氏
     そうなんです。すごくそこは危機感を感じていて、確かに昨日、お花見で銀座の松屋に行くと、お惣菜のところでは、今、すごく値段が安くなっていて、前、1,000円以上したものが、今、850円とかで1つ買える。
     そうすると、本当に確かにつくらないなと思ってきて、農業の問題と、実は調理の食文化の問題と、また深刻な問題になっているなというのが、この場合によく感じることなんですけれども。
  • 佐々木氏
     食べ物は、食べているものから、頭も心も皮膚も全部臓器がつくられるわけじゃないですか、そうすると、教育問題から全部、実は食べている物が6か月後で大体人間の体が変わるらしいですが、そうすると、やはりきちんとしたものを食べないと、今のすべての社会問題の根源だから、そういう教育がもう少し消費者というか、私たち全員にできるといいなと思うんですけれども、その辺り、何か御意見があれば。
  • 谷角氏
     さっきインターネットという話があったんですけれども、インターネットを使って有機野菜を都会に通販するという会社でインターンシップをしていたんです。そこは、主なターゲットが30代、40代の女性の方で、特に子どもが産まれた後の女性の方が多くて、やはり子どもができると、子どもに安全・安心なものを食べさせなければいけないということを意識する女性が増えるらしいんですけれども、それまでは、私も学生の時代は、全然栄養とかあまり考えずに、ファーストフードとかいっぱい食べていましたし。
  • 鶴賀氏
     ただ、そういう啓蒙ということも大事だと思うんですけれども、さっき佐々木さんがおっしゃったことで言うと、やはりおいしいものというのはおいしいわけで、ジャポニカ米でもカルローズというものと日本のものを食べると、やはり圧倒的においしいですね。だけれども、それを知る機会がほかの人はないので、もし、チョイスがあるんですから、一回おいしい方に行ってしまったら、もう後戻りできないので、そういう意味でどんどん積極的に知っていただく機会があるといいと思います。
  • 宮治氏
     確かに選択の機会というのは、ありそうだけれどもないんです。やはり大手のスーパーは安く売るのが使命だと考えているので、結局安いものを並べてしまうんです。やはり消費者の心理からすると、安いものと、あまり説明のない高いものが置いてあると、それで見た目が同じだったら安いものを手に取ってしまう傾向が非常に強いんです。
     もう完全にバイヤーさんとかは、安くないと売れないと思ってしまっているんですが、そんなことはないんです。ちゃんと選択の機会を提供すれば、消費者もわかって買ってくれるんですけれども、その場すらないという状況ですね。
  • 海豪氏
     それが、佐々木さんがおっしゃっていたみたいに、「おいしい」の経験をたくさん積むということが大事なような気がしていて、食べるというのは、すごく刹那的な感じがするんですけれども、実は脳科学的には記憶の中に、覚えていなくても残っているんです。だから、本を読んでいると、何か視野が広がった感じがしますけれども、食べ物も一緒で、覚えていなくても、脳の中には記憶に残っているので、やはり小さいころから、それが贅沢なものとか、珍味とかいうんではなくて、いろんな人と食べた経験とか、いろんなものを食べた経験を積んでいくというのが、それが元気になる素だと思っていて。
  • 鳩山総理
     頭がピーマンという。
  • 海豪氏
     そうなんです。ピーマンはばかそうだからやめようと言っていたんですけれども。
  • 平田氏
     ぼくは今、政府で観光の仕事をしているものですから、是非観光と食を結び付けていただいて、これは輸出にも結び付くと思うんです。やはり日本で日本のお米を使っておいしいものを一回食べてもらえば、中国の方が帰っても、やはり本物を食べたいというふうになると思うんです。
     それから、日本国内もそうだと思うんです。日本国内の旅行者でも、やはり地元に行ってまず食べて、これはやはり食べ続けたいなというところで、インターネットで結び付けて、現地のものを続けて買ってもらう、そこの流れをうまくつくっていければ、いけると思うんですけれども、まさにその機会を提供するということで言うと、観光の役割も非常に大きいと思います。
  • 宮治氏
     私は、この前、岩手に行ってきたんですけれども、全国各地を回って、農家のこせがれネットワークで、今、設立発表会を行っています。全国8か所回ったんですけれども、最後は東北へ行ってきました。翌日に一関というところに行ってきたんですけれども、面白いですよ、一関には餅の文化というのがあって、餅を食べるのに作法があるらしいですね。全部餅なんです。餅の本膳と言って、初めにあんころ餅を食べて、次に栗かキノコのお餅を食べてみて、それで口直しをしてみたいなコース料理があるんです。餅の作法とかは、私はすごい感動したんですけれども、多分こういうのがわかると、例えば行ったときに餅を食べようとか、餅を食べるときには作法があるんだよ、例えばそこから餅を仕入れようもあるし、実際に行って体験してみようというのがあると思うんです。
     今、差別化ということでも、味だと、全国各地おいしいものがあるんです。もはや味では差別化できなくなっているんです。どこで差別化するかというと、私は人かその土地の歴史、伝統だと思っているんです。ここでしか、私は差別化は図れないのではないかと感じています。
  • 鶴賀氏
     実際に消費者の立場からすると、もし、味が一緒でしたら、特にこういう不況の折でしたら、安い方を取ってしまいますね。
  • 海豪氏
     さっき総理がおっしゃったみたいに、知っていれば、今の自分の状況だとこれなんだけれども、あと、開示されていれば、こっちをこのときは食べようとか選べると思うんですけれども、多分今は、その状況に買う側もないような気がして、知識的にも経験的にもないような気がしていて、それができるといいですね。
  • 平田氏
     辺銀さんは、ラー油はどうやって広まっていったんですか。
  • 辺銀氏
     やはり一番初めは、本当に自分の家に人を呼んで、つくった手づくりラー油でギョウザを食べてもらうとか、何かを食べてもらうというのからスタートしているんですけれども、これを当初出したときに、いろいろ私たちがお付き合いをしている農家の方々からやはり材料を提供していただくときに、これはいくらでいいよ、これはいくらでいいよというと、島値段になってしまうわけです。そうすると、一番初めに買っていた値段というのは、ものすごく安かったんですけれども、後から考えていくと、例えば台湾から島胡椒で例を言いますと、島胡椒は台湾で大量に生産されているんです。それを瓶詰めにして、沖縄産として売っているのがほとんどなんです。
     だけれども、うちのは八十幾つのおばあちゃんが一人でつくっているんですけれども、この方の胡椒と台湾産の胡椒というのは全く違うんです。香りも違うし、何か食べた後のパワーも絶対に違うなという気がしていて、そうすると、台湾産とおばあちゃんのを同じ金額で初めは買っていたんだけれども、だんだんうちも少しずつ売れてきたので、このおばあちゃんにもっと頑張ってほしいからといって、もっと高い値段で、今、約倍の値段とか、もっと高く買うから頑張ってと言っているんですけれども、何か、私はそういうおばあちゃんの気持ちが、このラー油をおいしくしてくれているんではないかと、ちょっと思っているんですけれども、ただ、普通のラー油は100円、200円で買えたものが、800円なんです。でも、800円というと、普通はちょっと買わないですよね。
  • 鳩山総理
     でも、それでも8か月待つわけでしょう。それで、8か月待つということは、もっと高くても売れるということでしょう。
  • 辺銀氏
     大体3,000円ぐらいで取引されているみたいです。
     それで、今『琉球新報』という新聞に連載が始まるので、経済部の記者さんと実は沖縄本島の市場を回ったんです。そうしたら、大体2,800~3,000円で、買わないかと言われて、これは本当は800円なんですけれども、2,200円分は何で高いかといったら、1年待たなければいけないから、あなたの1年が2,200円になったら安いのではないかとおばちゃんに説得されて、思わず本当かどうかなと思うぐらいの感じになっているんですけれども、ただ、言ってしまえば、だれでもつくれると思うんです。材料も全部公開していますし、つくり方も、このごろはネットとかでも皆さん、石垣島ラー油をつくってみようとかというものもあるので、皆さん多分つくっていると思うんですけれども、この一つひとつの材料の、おじいちゃん、おばあちゃんの気持ちとか、うちのスタッフたちもそうなんですけれども、常に笑っているんです。詰める作業のときも、普通の工場で言ったら、ちゃんとマスクをして、全部こんなものをして、宇宙人みたいな格好で。
  • 鳩山総理
     宇宙人ですか。宇宙服で反応しましたよ。
  • 辺銀氏
     食品をつくっていらっしゃると思うんですけれども、大変申し訳ないんですが、うちはそこまでちゃんときちっとしていなくて、マスクもしていないですし、髪の毛が入らないぐらいのほっかむりみたいなものをしているんですけれども、あとはべちゃべちゃしゃべりながら、ぎゃあぎゃあ笑いながら、そんなものをやっているんです。
  • 生田氏
     材料は全部、沖縄産?
  • 辺銀氏
     山椒は、主人の実家の西安から送ってもらっているんです。それはなぜかといったら、日本で手に入る山椒は余りいい香りがしなかったので、勿論、日本の山椒は大好きなんですけれども、日本のウナギにかける分にはすごく合うんですが、ラー油に入れると少し沈んでしまうんです。それで、西安の一番いい山椒を父に送ってもらっているんです。
  • 生田氏
     それで、あとのものは大体沖縄ですか。
  • 辺銀氏
     はい。
  • 生田氏 沖縄の土地自体がミネラルが多いから、おいしいものができると思っていますけれども。
  • 辺銀氏
     そういうものもあると思います。
     あと、さっきも申し上げたんですけれども、ウコンを入れているのはクルクミンで、皆さんお酒を飲まれる方はがんがんウコンの錠剤を飲まれるではないですか。でも、お医者さんに聞いたら、クルクミンは脂溶性で、油にしか溶けないらしいんです。そうすると、お水でウコンを飲んでいてもそんなに効果はないよと言われて、ウコン錠剤を飲むのであればカレーを食べなさいと言われて、なるほどと思ってこれにも、それでは、脂溶性であればウコンを入れて、これからもクルクミンを摂れるようにしようとか、少しずつそういうことは考えてつくってはいるんです。
  • 中原氏
     これだけ売れてくると、髪の毛が入っていましたとか言ってくる人はいないですか。
  • 辺銀氏
     いそうですけれどもね。
  • 中原氏
     人気が出てきてしまうと、そういう方たちが出てきてね。
  • 辺銀氏
     ただ、このツイッターのボットとかで見ていてすごく感動しているのは、悪いことを言う人がほとんどいらっしゃらないというのは何でだろうと自分でも不思議なぐらいで、どうしてこんなにみんな応援してくれているのかなと思うのは、多分、おじいちゃん、おばあちゃんの愛情がいっぱい入っているからなのかなと思っているんです。
  • 宮原氏
     そのでき上がっているものに魂がこもっているからだと思います。
  • 宮治氏
     そうですね。うちも悪口はほとんど言われたことがないんですよ。このやろう、メディアにたくさん出やがってみたいな声が聞こえてもいいんですけれども、全くないですね。うちは多分、肉がうまいだけだったら、こんなに広まらなかったと思うんですよ。私が常に言っているのは、1次産業は格好よくて、感動があって、かせげる3K産業にするんだという思いを伝えていて、多分、それがお客さんにも伝わっているからだと思うんですよ。ですから、本当に差別化は味ではなくて人だと思うんです。
     私の場合はやはり、あとは理念、考え方ですね。1次産業を何とかしていきたいんだという思いに皆さん共感してくれるんだと思うんですよ。
  • 宮原氏
     私たちも、自分たちがつくったジャガイモをBSEのときに市場で出荷ストップになって、このままではもたないということで、自分たちでジャガイモを売りに東京に来たんです。それで、あるところで、東京ではなくて埼玉県なんですけれども、ジャガイモを売らせてくれるところがあって、私たち家族で1箱5kgの箱で自分たちで直接ジャガイモを売ったんです。それでお客様に試食してもらって、食べてもらって、そして、そこで売っているジャガイモより高い値段でジャガイモを販売したんです。それで、食べてくださった方は高くても買ってくださるんです。それを私たちは8年続けました。
     お客様は、味、それから、私たちの顔、私たちの生活の舞台、そういうものを全部、箱の中にメッセージを入れるので、今年はこんなことがありましたということを書いて販売するんです。そうすると、ジャガイモだけではなくて私たち自身に会いたいと言ってくださる方もいらっしゃるし、メッセージも楽しみだと言って買いに来てくださる方もいらっしゃるし、お客様と自分たちが直接つながるということがあると、全然作物が違ってくる。
  • 宮治氏
     でも、これは多分、小規模農家の戦略だと思うんですよ。臼井さんとかは多分、大規模の戦略が必要で、そこら辺は全く考え方を変えてやっていかないとだめなのではないかなと思います。
  • 臼井氏
     プレミアと基礎食糧との住み分けというものは少し必要なのかもしれないですね。
  • 平田氏
     生田さんのところは兼業で、少しずつ農業の比率をこれから高めていこうとお考えになっておられますね。それは、どこか大変なところはありますか。
  • 生田氏
     もともと土地自体はあって、田んぼという形であったので、父親が小さい頃に手伝った経験があるのと、周りの高齢者の方とかに教えてもらって、やっと1人でといいますか、大体ほとんど父親が1人でやっているんですけれども、やはりいろいろ、肥のやり具合とか、天候もそうですが、水加減とかがすごく難しくて、自分で一生懸命育てたお米を自分で食べてみたらおいしかったんです。農協の方に出荷しに行ったときに、他の農家の栽培状況とかも見えるではないですか。そうしたら、それを見ていて、同じような基準で一生懸命つくっても、出荷の基準といいますか、それが少し不満だったので、今は農協に出荷していないんです。直接のお客さんを探すのに、いろいろ知り合いを当たって飲食店をしているところとか、個人で消費してくれる家とか、いろいろ当たって、今は直接ばかりになっているんですが、やはり苦労がすごい。
     まず、うちも食べてもらって買ってもらうという方式なんですけれども、お米の単価としてはちょっと、農協に卸すのと変わらないぐらいの金額で卸しているので、別にこだわってつくったからといって付加価値はまだ付けていないんです。
  • 鳩山総理
     私、大変大事だと思っているのは、もともと建設業をやっていらっしゃる方は、その前に農業をやっていらっしゃる方がかなり建設業に行かれて、ただ、これから建設業からまた次にどこか別の産業に行かざるを得ない方々が相当増えてくると思うんです。あるいは増えてきていると思うんですが、そこでまたもとの農業に戻りたいという方がどのぐらいおられるかですね。そういうときにうまく戻れるといいますか、農業に転業できるような状況をつくっていくのが大事だと思っていて、ですから、生田さんのようなトライをされる方が私は非常に大事だと思って、是非、頑張っていただきたいですし、そういう建設業から農業に行くときに、やはりどこを政府として背中を押してさし上げることが大事なのかということも研究しなければいけないなと思っていて、もしヒントがあれば教えていただければと。
  • 生田氏
     うちの場合は、重機とかは土地の改良とかに使えるので、それはユンボなんですけれども、それはすごく役に立っていて、うちの持っている山も土の質がいいので、それで土の改良にも向いていて、質の割に安く土も手に入るので、近所の人に頼まれたらやるという感じでやっているんですが。後、そういう仕事では重機は有効に利用できるんですが、お金儲けになるかどうかはちょっと難しいです。
  • 平田氏
     もうそろそろ時間なんですが、何かここは言い忘れたみたいなことがあれば。
     どうぞ。
  • 臼井氏
     それでは、さっき食と観光の部分をちらっと触れたので、私もこのご当地グルメという形で観光という部分にも関わっているんですけれども、結局、今、インターネットだったりお取り寄せという形で、自宅にいながらいろんなところの物を食べられるということが多くなってきたがために、その産地に出かけて、産地のものをその産地で食べるという機会が減ってきているんですよ。なので、今、北海道などは特に危機感を持っているんですけれども、やはり技術の進歩で、今までは食べられなかったようなものもお取り寄せで食べられるということで、そうではなくて、やはり来てもらって食べるのが一番おいしいんだよということを、今、一生懸命PRしているんですよ。
     それで、そう考えたときに、自分たちを見たら、地元で地元のものを食べられる場所があまりなかったんですよ。結局、食糧供給地帯なものですから、つくったら出す、出荷するのの繰り返しで、それを改めて自分たちの町を見直して、地元の飲食店で地元の食材を使って提供していこうということで、今、ネットワークもつくりまして、うちの町で言いますと牛乳と、あと野付も、うちの町でして、野付産のホタテを使ってバーガーをやっているんですけれども、そういった形で、海外旅行に行くのもいいかもしれないんですが、これから食糧生産地帯に観光をしていただきたい。それが、人の流れがこういった農業生産地帯に流れることによって、また新しい産業というものも、私は農業をやりながら観光もできるというような流れになってくるかと思うんですよ。
     ただ、今はまだそういう流れがなくて、生産地は生産地、観光地は観光地という分かれ方なんです。なので、農業地帯でも、私も農場をやっているので、これからオープンファームもやりたいなとは思っているんですけれども、今まではそういった場所が、提供できる場所がなかったので、生産地帯でも観光につながることもやっていこうかなと考えて、人の流れをちょっと田舎に流したいなというふうに、今、思っています。
  • 宮治氏
     それで、全国各地でやっているので、東京のお客さんはどこに行けばいいんだみたいな状態になっているので、かなりベタなんですが、インターネットではなくて、やはりこれからはリアルな人のつながりだと思っているんですよ。なので、農家のこせがれネットワークで一生懸命、東京でコミュニティをつくって、それを地方に連れていくみたいな、そういう活動になっていくと私は思っているので、ネットも大事だけれども、リアルな人のコミュニティをどうつくっていくのかというのがこれから課題ではないかなと思います。
  • 海豪氏
     私も同じく思っていて、人の流れが元気にすると思っていて、今の生産地域が来るという話なんですけれども、あとは育つときに、もっと小学校で自分のところの名菓とか名産品とかを学ぶという機会があってもいいかなと思っていて、そうしますと、東京に将来出たりするときに、旅行に出たりするときに、みんながしゃべれますね。
     私は観光大使をしているんですけれども、みんなが観光大使になればもっといいなと思うのと、あと、なぜ食かといいますと、今日、鳩カフェと言われて何となく応募してしまったのも、カフェと言われて、だれも説明してくれなくても、知らない皆さんと総理が何かお茶を飲みながら談笑すればいいのねという、その三文字でわかりますね。それで、普通はあり得なかった。つぶやかれてから2週間でここに来ているというのは、私も食の持つ接着剤という役割みたいなものが本当にすごいのではないかというのをすごく今回は改めて感じて、それであれば、そういう名菓とか農産物とか、そういったものをもっとみんなが知って、それを機会にいろんな人と話ができると、自然に観光客も含めてもっと行き来ができるのではないかなと思っていました。
  • 谷角氏
     私は都会生まれ、都会育ちで、そういう農村のおいしいものとかは全く大学時代は知らなかったんですけれども、やはり初めてで、こんなにおいしいのかと、すごく感動したんです。それで結構、私の大学時代の仲間とかでも、全然農業と関係ない学部の人でもすごく農業に興味がある人が多くて、そういう人たちが、農泊せんせいという活動を私はやっていたんですけれども、そういう大学時代のうちに第2のふるさとといいますか、親戚を田舎につくっておけば社会に出た後もずっとつながり続け合えますし、例えば都会で大地震が起きた場合でも、お世話になった農家さんのところにちょっとお世話になるみたいなこともできるではないですか。
     なので、観光もいいんですけれども、1回きりに終わるのではなくて、つながり続けられるような、そういった仕組みがこれからは必要なのかな。それで、地域の側もやはり受け入れる体制が必要なのかなというふうに思います。
  • 平田氏
     皆さん、まだまだしゃべりたいと思うんですけれども、それでは、総理、最後に。
  • 鳩山総理
     皆さん、よろしいですか。
     ありがとうございます。あっという間に時間が過ぎてしまったなと思っておりますが、楽しい時間であったと感謝しています。それぞれの皆さん方のお気持ちをいただいて、やはり農業の今の厳しさの中にはコストで闘わなければいけないという部分が基本はあるんだろうと思いますけれども、それを乗り越えるのは何かと言えば、人間なんだ。人間の知恵といいますか、心だ。むしろ愛情が農業をこれから新しい方向に必ず変えていくぞという、何かそういう意気込みといいますか、熱意を今日は感じて、非常にうれしかった。本当にありがたく思っています。
     まだまだ言い足りない部分も皆さん方はおありになったと思いますけれども、特にグアムから昨日やってきて、もう明日帰るという、このためだけに来てくれたという鶴賀太郎さんにも感謝を申し上げたいと思いますけれども、皆さん方が非常にある意味で、こんな官邸などに来ていいんだろうかと思いながら来てくださったことに感謝しています。
     また、最初のリアル鳩カフェの第1回をやったときも大変楽しかったんですけれども、その後、その方々が何か自発的に集まりを持つようにもなっているようです。ですから、皆さん方も、私がやれと言ってやっているわけではなくて、彼らがそういう動きを見せているところもあるようでした。別に押し付けるつもりもありませんけれども、せっかくある意味で、偶然とはいえ、皆さん方がこのようにお集まりいただいて、お友達になれたということを一つの何か人生のこれからのお互いのきっかけにしていただければ、なおのこと、うれしく思います。
     今日はありがとうございます。