• 宮治氏
     ステータスが低い日本農業は3K産業などと言いますけれども、私から言わせれば6K産業で、きつい・汚い・格好悪い・臭い・稼げない・結婚できない6K産業を、生産からお客さんの口に届けるところまでを一貫してプロデュースすることで、格好よくて・感動があって・稼げる3K産業にしたいという思いで、勤めていた会社を辞めて実家に戻りました。
     実家の豚をみやじ豚という形でブランド化して直販をして、口コミでお客さんに広めていくという形をとりまして、お蔭様で家族が食べていく分には何とかやっていけます。
     規模の拡大はしないで、今はNPO法人農家のこせがれネットワークを立ち上げて、都心で働く悩めるこせがれたちをそそのかして、会社を辞めさせて、実家に帰って農業を始めてもらおうという活動を現在しております。
  • 鳩山総理
     先ほど6Kとかいろんな話がありましたけれども、まさに魅力のある土を触ることができる産業というのが非常に減ってしまっている中で、一番土に触れるのは人間というか動物というか、生きとし生けるものにとって一番根源的に大事な仕事だと思っておりまして、ただ、それが政治的な中でいろいろと厳しいことを言われたり、あるいは日本の特色の中で簡単に地価が高いとかということもあって、うまく農家が育っていかないという、日本の未来にとって非常に厳しい状況があると思っています。
     皆さんも御存じだと思うけれども、日本で一番、最低気温を記録しているのが幌加内町ですから、40度以下の年が何年かあったというぐらい寒い所にあえて行かれたわけですね。本来だったらそういうところで畑作をやりたいというのはなかなか思えない方の方が多いと思うんだけれども、あえて挑戦されたというのはすごいと思うんですよね。
  • 宮原氏
     一番の決め手は朱鞠内という土地なんですけれども、作物がおいしいんです。なぜおいしいか自問自答したときに、寒くて厳しいから、短い夏の間に作物は必死で頑張るんです。これはほかの所と違うんです。本当に必死になるんです。夏の8月、暑いときに30度以上の気温になりますが、同じ日で、夜、明け方に1桁の気温になるんです。この寒暖差はほかではあり得ないんです。ものすごい激しい寒暖差で、作物が寒い思いをするので糖をたくさんつくって、ですから甘みの増したよりおいしいものができるんです。収穫量は少ない、やれる農産物の種類も少ない。本当にリスクばかりなんですが、でも、できるものは絶対にここのものはおいしいと確信が持てたからこの地への就農を決めました。
  • 臼井氏
     これは国産の農産物全般的に言えることなんですけれども、私たちの生産者のストーリーというものが値段に反映されないんです。結局、海外の農産物に引っ張られる形で国内の農産物の価格が上下変動するんですけれども、ぼくらがいくらここにこだわってそれをインフォメーションしたとしてもそれが価格に反映されないというのが、よほどのプレミアなことでもない限り難しいんです。コストを優先していくと、さっき言ったストーリーがなくなっていくんですよ。だから、いろんなジレンマを抱えながら毎日仕事をしているというのが現状なんです。
  • 中原氏
     結局、売れてもうかればいいんですけれども、もうからないというジレンマがあって、どうやって売るのかということをもっと、それは国内なのか国外なのかわからないですけれども、今のストーリーという話も付加価値じゃないですか。伝わってないから安くしか買ってくれないし、もっと上手に売るということをぼくらがもっと勉強しなければいけないのかなという気もします。
  • 宮原氏
     私はすごく土俵が違い過ぎると感じるんです。ヨーロッパやアメリカでは、農家に対して直接所得補償があって、作物が売れなくてもとりあえず農業ができるじゃないですか。でも、売るわけだから、それにプラスαの収入があるから、どんどんみんなやりたい仕事になっている。
  • 鳩山総理
     変えていきますから、そこは変えますから、まず最初は米からスタートしなければならなかったんですけれども、やはりそばも含めて地域で頑張っている、まさに畑作で、地域の主要作物に対して、今のような戸別所得補償というのを、私は導入すべきだと思っていますから、それは必ずやります。更に先ほどのような魅力を付ける部分が大事で、皆さん、それこそ喜多方ラーメンにしろ、ラー油にしろ、いいものを出せばどんどん広がって売れていっているわけですね。
  • 鶴賀氏
     やはりおいしいものというのはおいしいわけで、ジャポニカ米でもカルローズというものと日本のものを食べると、やはり圧倒的においしいですね。だけれども、それを知る機会がほかの人はないので、もし、チョイスがあるんですから、一回おいしい方に行ってしまったら、もう後戻りできないので、そういう意味でどんどん積極的に知っていただく機会があるといいと思います。
  • 海豪氏
     食べるというのは、すごく刹那的な感じがするんですけれども、実は脳科学的には記憶の中に、覚えていなくても残っているんです。だから、本を読んでいると、何か視野が広がった感じがしますけれども、食べ物も一緒で、覚えていなくても、脳の中には記憶に残っているので、やはり小さいころから、それが贅沢なものとか、珍味とかいうんではなくて、いろんな人と食べた経験とか、いろんなものを食べた経験を積んでいくというのが、それが元気になる素だと思っていて。
  • 辺銀氏
     やはり一番初めは、本当に自分の家に人を呼んで、つくった手づくりラー油でギョウザを食べてもらうとか、何かを食べてもらうというのからスタートしているんですけれども、うちのは八十幾つのおばあちゃんが一人でつくっているんですけれども、この方の胡椒と台湾産の胡椒というのは全く違うんです。香りも違うし、何か食べた後のパワーも絶対に違うなという気がしていて、ただ、言ってしまえば、だれでもつくれると思うんです。材料も全部公開していますし、つくり方も、このごろはネットとかでも皆さん、石垣島ラー油をつくってみようとかというものもあるので、皆さん多分つくっていると思うんですけれども、この一つひとつの材料の、おじいちゃん、おばあちゃんの気持ちとか、うちのスタッフたちもそうなんですけれども、常に笑っているんです。
  • 生田氏
     もともと土地自体はあって、大体ほとんど父親が1人でやっているんですけれども、やはりいろいろ、肥のやり具合とか、天候もそうですが、水加減とかがやはりすごく難しくて、自分で一生懸命育てたお米を自分で食べてみたらすごくおいしかったんです。今は農協に出荷していないんですけれども、直接のお客さんを探すのに、いろいろ知り合いを当たって、飲食店をしているところとか、個人で消費してくれる家とか、いろいろ当たって、今は直接ばかりになっているんですが、やはり苦労がすごい。
  • 臼井氏
     ぼくもこのご当地グルメという形で観光という部分にも関わっているんですけれども、結局、今、インターネットだったりということで、お取り寄せという形で、その産地に出かけて、産地のものをその産地で食べるという機会が減ってきているんですよ。やはり来てもらって食べるのが一番おいしいんだよということを、今、一生懸命PRしているんですよ。
  • 宮治氏
     それで、全国各地でやっているので、東京のお客さんはどこに行けばいいんだみたいな状態になっているので、かなりベタなんですが、インターネットではなくて、やはりこれからはリアルな人のつながりだと思っているんですよ。なので、農家のこせがれネットワークで一生懸命、東京でコミュニティーをつくって、それを地方に連れていくみたいな、そういう活動になっていくとぼくは思っているので、ネットも大事だけれども、リアルな人のコミュニティーをどうつくっていくのかというのがこれから課題ではないかなと思います。
  • 谷角氏
     大学時代に農泊せんせいという活動をしていました。農村に泊まって先生をやるというものなんですけれども、農業体験というのがよくあるではないですか、それだけだと普通だなということで、農業体験に勉強を教えるという要素を加えた農泊せんせいというプロジェクトを立ち上げていました。観光もいいんですけれども、1回きりに終わるのではなくて、つながり続けられるような、そういった仕組みがこれからは必要なのかな。それで、地域の側もやはり受け入れる体制が必要なのかなというふうに思います。
  • 鳩山総理
     ありがとうございます。あっという間に時間が過ぎてしまったなと思っておりますが、楽しい時間であったと感謝しています。それぞれの皆さん方のお気持ちをいただいて、やはり農業の今の厳しさの中にはコストで戦わなければいけないという部分が基本はあるんだろうと思いますけれども、それを乗り越えるのは何かと言えば、人間なんだ。人間の知恵といいますか、心だ。むしろ愛情が農業をこれから新しい方向に必ず変えていくぞという、何かそういう意気込みといいますか、熱意を今日は感じて、非常にうれしかった。本当にありがたく思っています。
     また、最初のリアル鳩カフェの第1回をやったときも大変楽しかったんですけれども、その後、その方々が何か自発的に集まりを持つようにもなっているようです。ですから、皆さん方も、私がやれと言ってやっているわけではなくて、彼らがそういう動きを見せているところもあるようでした。別に押し付けるつもりもありませんけれども、せっかくある意味で、偶然とはいえ、皆さん方がこのようにお集まりいただいて、お友達になれたということを一つの何か人生のこれからのお互いのきっかけにしていただければ、なおのこと、うれしく思います。